シャーペンの芯に穴を貫通させる

わずか0.5ミリメートルのシャーペンの芯。その中心に穴を貫通させる技術を、山本金属グループはもっています。
この技術を編み出すまでのプロセスをご紹介します。

経緯・いきさつ

極細の精密部品をつくりたい

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山本金属グループが製造を手がける医療機器部品。ミリ単位の極細、極小サイズの部品も数多くあります。
医療機器は人の健康や命に関わるもの。その機器を構成する部品には、厳格なまでの正確さと精度が求められます。
微細な部品加工をご依頼くださるお客様のために、この技術をもっともっと極めたい。そんな思いから、若手エンジニアを中心に、あるチャレンジを行いました。

「狂いを阻止せよ」。精度との戦い

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挑戦したのは、たった0.5ミリメートルのシャーペンの芯に、わずか0.2ミリメート ルの穴を正確に貫通させること。そのためにクリアしなければならない課題は、以下の2つでした。
・わずかな力で折れてしまうシャーペンの芯を、いかに折らずに固定するか。
・細くてもろい芯を砕くことなく、穴を最後まで貫通させることができるか。
どちらも、少しの狂いさえ許されません。まさに「精度との戦い」でした。

技術の特徴

0.5mmの芯をつかむ治具の技術

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芯を折らずに固定するカギとなるのは、治具の開発。か細い芯をしっかりと固定するには、芯をつかむ力を計算し尽くした上で、オリジナルの治具を作る必要があります。
それは、真綿をつかんで固定するくらい、繊細で精密なワザ。
技術力はもちろん、試行錯誤を繰り返す粘り強さがなければ成し遂げられません。
当社はそれを、熟練エンジニアの経験と、若手エンジニアのチャレンジ精神によって克服。さまざまな極細・極小材料をつかむ治具技術へと発展させることができました。

中心を正確に貫き通す切削技術

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シャーペンの芯を固定する技術があっても、0.5ミリメートルの芯の中心に、正確に穴を開けていく切削技術がなければ、貫通を達成することはできません。
穴を開けるのはマシンですが、このマシンを自分の手のごとく動かす操作力、調整力が、エンジニアの技量が問われるところ。ですが、難易度の高い部品加工にチャレンジしてきた経験を生かすことで、0.01ミリメートル単位の狂いもない切削技術を確立できました。

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高い技術の習得には、時間と根気が必要です。ときには壁にぶつかり、打つ手が見えないこともあります。そんなときに活路を開いてくれるのは、必ずものづくりを成功させるという情熱と、肩書きや年齢を超えて情報共有できるチームワークです。
山本金属グループの工場では、ものづくりの課題解決をめざし、上司や部下、先輩後輩が気兼ねなく情報共有する場面がよく見られます。この社内環境が、困難を乗り越え、お客様のご要望にお応えする原動力 となっています。